家族滞在ビザで日本に滞在する外国人の方の中には、資格外活動許可の範囲内のアルバイト・パートに留まらず、本格的に仕事をしたいと希望される方もいらっしゃいます。
家族滞在ビザを持つ外国人の方が、アルバイト・パートではなく、フルタイムで働きたい場合には、仕事の内容に応じた就労ビザへ変更する必要があります。
ここでは、家族滞在ビザから就労ビザへ変更するケースについて考えてみたいと思います。
目次
家族滞在ビザから就労ビザへ変更する場合に考えられる6つのケース
家族滞在ビザから就労ビザへ変更するケースとしては、例えば、以下のようなケースが考えられます。
① 家族滞在ビザ ⇒ 技術・人文知識・国際業務ビザ fa-arrow-circle-right
② 家族滞在ビザ ⇒ 技能ビザfa-arrow-circle-right
③ 家族滞在ビザ ⇒ 経営管理ビザfa-arrow-circle-right
④ 家族滞在ビザ ⇒ 特定活動ビザ46号fa-arrow-circle-right
⑤ 家族滞在ビザ ⇒ 特定技能ビザ(特定技能1号)fa-arrow-circle-right
⑥ 家族滞在ビザ ⇒ 高度専門職ビザ(高度専門職1号)fa-arrow-circle-right
① 家族滞在ビザ ⇒ 技術・人文知識・国際業務ビザ
担当する職種が次のような職種の場合、家族滞在ビザから技術・人文知識・国際業務ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)へ変更することが考えられます。
fa-cube事務系(ホワイトカラー系)の専門職 <人文知識カテゴリー>fa-arrow-circle-right
fa-cube技術系(エンジニア系)の専門職 <技術カテゴリー> fa-arrow-circle-right
fa-cube国際業務(翻訳、通訳、語学教師、海外取引業務など)<国際業務カテゴリー>fa-arrow-circle-right
担当する職種が事務系(ホワイトカラー系)の専門職の場合
技術・人文知識・国際業務ビザの「人文知識」カテゴリーに該当する事務系(ホワイトカラー系)の専門職としては、例えば、以下のような職種が挙げられます。
• 営業
• 企画
• 経理
• 総務
• 法務
• マーケティング
• 広告宣伝
• 商品開発
• コンサルティング
• 貿易
担当する職種がこのような事務系(ホワイトカラー系)の専門職の場合、家族滞在ビザから技術・人文知識・国際業務ビザへの変更が許可されるためには、学歴要件(あるいは実務要件)や、専攻内容と職務内容との関連性をはじめとする様々な要件をクリアする必要があります。
*技術・人文知識・国際業務ビザの要件については、【技術・人文知識・国際業務ビザの6つの基本要件とは】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
担当する職種が技術系(エンジニア系)の専門職の場合
技術・人文知識・国際業務ビザの「技術」カテゴリーに該当する技術系(エンジニア系)の専門職としては、例えば、以下のような職種が挙げられます。
• システムエンジニア
• 電気系エンジニア
• 機械系エンジニア
• 技術開発
• プログラマー
• 設計
• 生産管理
• 品質管理
担当する職種がこのような技術系(エンジニア系)の専門職の場合、家族滞在ビザから技術・人文知識・国際業務ビザへの変更が許可されるためには、学歴要件(あるいは実務要件)や、専攻内容と職務内容との関連性をはじめとする様々な要件をクリアしなければなりません。
*技術・人文知識・国際業務ビザの要件については、【技術・人文知識・国際業務ビザの6つの基本要件とは】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
担当する職種が国際業務(翻訳、通訳、語学教師、海外取引業務など)の場合
技術・人文知識・国際業務ビザの「国際業務」カテゴリーに該当する職種としては、例えば、以下のような職種が挙げられます。
• 翻訳
• 通訳
• 語学講師
• 海外取引業務
• デザイナー
• 商品開発
• 広報宣伝
担当する職種がこのような国際業務の場合、家族滞在ビザから技術・人文知識・国際業務ビザへの変更が許可されるためには、実務要件をはじめとする様々な要件をクリアする必要があります。
*技術・人文知識・国際業務ビザの要件については、【技術・人文知識・国際業務ビザの6つの基本要件とは】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
② 家族滞在ビザ ⇒ 技能ビザ
担当する職種が次のような専門的な技能を必要とする職種の場合、家族滞在ビザから技能ビザ(在留資格「技能」)へ変更することが考えられます。
• 外国料理の調理師・コック・パティシエなど
• 外国特有の建築・土木に関する建築技術者
• 外国製品の製造・修理
• 宝石・貴金属・毛皮加工
• 動物の調教
• 石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削、海底鉱物探査のための海底地質調査
• 航空機パイロット
• スポーツ指導者
• ソムリエ
担当する職種がこのような専門的な技能を必要とする職種の場合、家族滞在ビザから技能ビザへの変更が許可されるためには、実務経験をはじめとする様々な要件をクリアしなければなりません。
*技能ビザの要件については、【技能ビザの職種ごとの条件(要件)】fa-arrow-circle-rightおよび【技能ビザの共通条件(各職種に共通する条件)】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
③ 家族滞在ビザ ⇒ 経営管理ビザ
日本で起業して事業の経営者となる場合は、家族滞在ビザから経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)へ変更することになります。
外国人の方が日本で起業する形態としては、株式会社や合同会社などの会社を設立することが一般的です。
会社を設立して起業する場合、家族滞在ビザから経営管理ビザへの変更が許可されるためには、会社の設立登記に加えて、資本金(500万円以上)や事務所(事業所)の確保をはじめとする様々な要件をクリアする必要があります。
*経営管理ビザの要件については、【経営管理ビザを取得するための基本要件(条件)とは】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
④ 家族滞在ビザ ⇒ 特定活動ビザ46号
日本の4年生大学・大学院を卒業・修了しており、日本語能力が高い方(例えば、日本語能力試験N1に合格している方など)の場合は、特定活動ビザ46号(在留資格「特定活動」告示46号)へ変更することにより、例えば、以下のような業種で働くことができます。
• 飲食業
• 製造業
• 小売業
• ホテル・旅館業
• タクシー業
• 介護業
いずれの業種においても、日本の4年生大学・大学院を卒業・修了した外国人が、習得した高度な日本語能力を活かせる業務に従事することが求められており、いわゆる「単純労働」とみなされる業務だけを担当することは認められていません。
*特定活動ビザ46号の要件については、【特定活動ビザ46号の要件(条件)】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
⑤ 家族滞在ビザ ⇒ 特定技能ビザ
日本語試験(日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストA2レベル以上)および技能試験に合格している方の場合、本人および雇用先が特定技能ビザ(在留資格「特定技能」)の要件を満たすことができれば、以下の業種(特定産業分野)で働ける可能性があります。
• 介護
• ビルクリーニング
• 素形材産業
• 産業機械製造業
• 電気・電子情報関連産業
• 建設
• 造船・舶用工業
• 自動車整備
• 航空
• 宿泊
• 農業
• 漁業
• 飲食料品製造業
• 外食業
家族滞在ビザから特定技能ビザ(特定技能1号)への変更が許可されるためには、外国人本人の要件、雇用契約の要件、特定技能所属機関(雇用先)の要件、外国人に対する支援体制の要件、支援計画の要件、登録支援機関の要件など、実に様々な要件をクリアしなければなりません。
*特定技能ビザの要件については、【特定技能外国人を受入れるために満たすべき要件(基準)とは】fa-arrow-circle-rightをご確認ください。
⑥ 家族滞在ビザ ⇒ 高度専門職ビザ
高度人材ポイント(高度人材ポイント計算表によって計算したポイント)が70点以上あり、高度外国人材と認められる方は、家族滞在ビザから高度専門職ビザ(在留資格「高度専門職」)へ変更することが考えられます。
高度専門職ビザで認められている活動は、以下の活動です。
fa-codepen高度学術研究活動(高度専門職1号(イ))
*主に「教授ビザ」(在留資格「教授」)、「研究ビザ」(在留資格「研究」)に該当する活動。
fa-codepen高度専門・技術活動(高度専門職1号(ロ))
*主に「技術・人文知識・国際業務ビザ」(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)に該当する活動。
fa-codepen高度経営・管理活動(高度専門職1号(ハ))
*主に「経営管理ビザ」(在留資格「経営・管理」)に該当する活動。
高度専門職ビザ(高度専門職1号)が許可されると、複数のビザ(在留資格)に跨る活動が許される、5年の在留期間が与えられる、永住ビザ取得のための居住歴の要件が緩和される、親の帯同が認められる(一定の条件を満たす必要あり)、家事使用人の帯同が認められる(一定の条件を満たす必要あり)など、様々な優遇措置を受けることができます。
*高度専門職ビザの優遇措置・ポイント計算表を、法務省が発表しているリーフレット【高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度】で確認するfa-arrow-circle-right。
まとめ
fa-hand-o-upMemo
fa-tags家族滞在ビザから就労ビザへ変更する場合、例えば、次のような就労ビザへ変更することが考えられます。• 技術・人文知識・国際業務ビザ、• 技能ビザ、• 経営管理ビザ、• 特定活動ビザ46号、• 特定技能ビザ(特定技能1号)、• 高度専門職ビザ(高度専門職1号)
fa-tagsそれぞれの就労ビザには、厳格な要件が定められていますので、家族滞在ビザからの変更をお考えの際は、要件をクリアできるのか否かをしっかり確認した方がよいでしょう。
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