ディナーの準備が整った外国料理レストランのテーブル

 技能ビザの申請の中で最も多いのは、調理師として技能ビザを申請するケースです。

 そこで、調理師として技能ビザを申請する場合の注意点について、詳しく説明していきたいと思います。

勤務先は外国料理の専門店でなければなりません

 調理師として技能ビザを取得する場合、まずご注意いただきたいのは、勤務先は外国料理の専門店である必要があるという点です。

 

 技能ビザで調理師として働く外国人のお店は、日本では特別な外国料理専門店でなければなりません。

 ですから、日本料理店や寿司屋、居酒屋、ファミリーレストランなどで働くことは認められません。

 また、たとえ中華料理の店であっても、ラーメン店や、ちゃんぽん・皿うどんのお店などは、中華料理の専門店として認めてもらうのは難しいでしょう。

 

外国料理の専門店として判断されるためのポイント

 外国料理の専門店として判断されるか否かは、以下の点がポイントとなります。

 

 店舗の規模

 店舗のスタッフ

 メニュー

 

店舗の規模

赤いテーブルクロスが敷かれたテーブルと椅子が並んだレストラン店内

 営業形態(例えば、高級料理店か否かなど)によって、店舗の規模は様々ですので、一概には言えませんが、座席数は、20席以上あることが望ましいでしょう。

 店舗の規模を証明する資料としては、店舗の見取り図や写真(外観、客席および厨房)などを提出することになります。

 

 座席数が30席以上ある場合、審査上、有利となります。

 テイクアウトのみの営業形態でも許可の可能性はゼロではありませんが、許可へのハードルは高くなるでしょう。

 

店舗のスタッフ

外国料理レストランで給仕するウェイトレスと笑顔のカップル客

 調理師以外に、食器洗い担当者や、ホール担当者、会計担当者などの専任スタッフが確保されている必要があります。

 食器洗いや、ホール、会計などの専任スタッフが確保されていないと、技能ビザで勤務する調理師が、技能ビザでは認められていない現業業務に従事するのではないかと疑念を持たれてしまい、不許可リスクが高くなります。

 調理以外のスタッフが確保されていることを証明する資料としては、担当業務を記載した従業員リストなどを提出することになります。

 

 なお、一つの店舗で複数の調理師を雇用する場合は、その必要性を証明しなければなりません。

 飲食店では、営業時間が長時間に及ぶ場合も多いことから、複数の調理師がシフト制で勤務するケースも珍しくないと思います。

 また、調理の種類によっては、複数の調理師が分担して調理を行う必要があるケースもあるでしょう。

 これらのケースでは、それぞれの調理師の勤務曜日・勤務時間を明記したシフト表などを提出して、複数の調理師が必要であることを説明するとよいでしょう。

 

メニュー

クリップボードに留められたメニューと鉛筆

 単に電子レンジで温めて出すような簡単な料理では、外国の専門料理としては認められません。

 

 また、元々は外国料理として日本に伝わったものの、現在では日本で一般的な料理として普及しているカレーライスや、焼肉、ラーメン、ちゃんぽん、皿うどんなども、外国の専門料理として判断してもらうのは難しいです。

 

 メニューに関しては、単品メニューだけでなく、5,000円以上のコースメニューもあると、審査上、有利になります。

 

 外国料理専門店としてのメニューを取り揃えていることを証明する資料としては、メニュー表に加えて、単品メニュー・コースメニューの料理の写真なども提出するとよいでしょう。

 

まとめ

 

Memo   

技能ビザで調理師として勤務する外国人のお店は、外国料理の専門店でなければなりませんので、日本料理店や寿司屋、居酒屋、ファミリーレストラン、ラーメン店などは外国料理専門店としては認めてもらえません。

外国料理の専門店として判断されるか否かは、次の3つの点がポイントとなります。① 店舗の規模(座席は20席以上あることが望ましいです)、② 店舗のスタッフ(調理師以外に食器洗い担当やホール担当などのスタッフが必要です)、③ メニュー(単品メニューに加えて、5,000円以上のコースメニューなどがあると審査上有利です)。

 

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