キッチンで単純な調理作業をしている外国人パート女性達

就労ビザでは、「単純労働」は認められません

 前回のコラム【就労ビザの対象になるのは、どんな外国人?】の中で述べましたように、就労ビザは、一定以上の学歴(例えば、大学・専門学校を卒業しているなど)や一定期間以上の実務経験があり、専門的な職種に従事する外国人を主な対象としています。

 

 ですから、学歴や経験が無くてもできる単純作業に従事する外国人は、就労ビザの対象にはなりません。

 つまり、就労ビザでは、いわゆる「単純労働」を行うことが認められていません。

 

 たとえ一定以上の学歴や一定期間以上の実務経験がある外国人であっても、「単純労働」に従事した場合には不法就労になってしまいますし、「単純労働」に従事させた雇用主も不法就労助長罪に問われます。

 

「単純労働」の例

 「単純労働」と言えば、一般的には、工場での軽作業や建設現場での補助作業などが思い浮かぶかもしれません。

 しかし、入管法上の「単純労働」は、もう少し広い概念になります。

 

 工場や建設現場の作業員以外にも、例えば、ウェイター・ウェイトレス、調理補助、マッサージ師、美容師、理容師、コンビニ店員、清掃作業員、ドライバー、警備員なども「単純労働」とみなされます。

 イメージとしては未経験の学生アルバイトが担当できるレベルの仕事は、「単純労働」とみなされる可能性が高いと言えるでしょう。

 

 また、専門性を要する仕事であっても、例えば、マッサージ師、美容師、理容師、ドライバーといった現場での業務が主となる職種は、入管法上の「単純労働」の範疇に入りますので注意が必要です。

 

 2019年には新たな就労ビザ(就労系の在留資格)が創設されましたが、次回のコラム【新たな就労ビザ(新たな就労系の在留資格)と「単純労働」との関係は?】では、これらの新たな就労ビザと「単純労働」との関係について考えてみたいと思います。

 

まとめ

 

Memo   

就労ビザは、一定以上の学歴や一定期間以上の実務経験があり、専門的な仕事に就く外国人を主な対象としています。そのため、就労ビザでは、原則、「単純労働」には従事できません。

入管法上の「単純労働」は、一般的な概念よりも広く、ウェイター・ウェイトレス、調理補助、マッサージ師、美容師、理容師、コンビニ店員、清掃作業員、ドライバー、警備員なども「単純労働」の範疇に入ります。

 

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