顧客に飲み物を入れるカフェの外国人店員

 就労ビザが無くても就労可能なケースとしては、就労ビザを持つ外国人に扶養されている家族(配偶者や子供)のアルバイト・パートも挙げられます。

 ここでは、そういったケースについて考えてみたいと思います。

就労ビザを持つ外国人に扶養されている家族が働くためには「資格外活動許可」が必要です

 就労ビザを持つ外国人の配偶者や子供は、一般的に、「家族滞在ビザ」(厳密には、在留資格「家族滞在」)で日本に滞在しています。 

 

 家族滞在ビザ(在留資格「家族滞在」)は、就労ビザを持つ外国人の扶養を受けて日本で生活するためのビザ(在留資格)です。

 

 ですから、家族滞在ビザで滞在する外国人が、本来認められている活動である「扶養を受けて日本で生活する」ことに加えて、就労活動を行うためには、出入国在留管理局に申請して「資格外活動許可」を受けなければなりません。

 

家族滞在ビザで滞在する外国人のアルバイト・パートは、勤務時間に制限があります

 家族滞在ビザで滞在する外国人は、出入国在留管理局から資格外活動許可を受ければ、原則、週28時間以内まで働くことができます。

 

 外国人留学生の場合は、夏休みなどの長期休暇の間に限り、18時間(週40時間)まで働くことが可能ですが、家族滞在ビザの外国人の場合は、そのような例外規定はありません。

 

勤務時間の管理には注意しましょう

 家族滞在ビザの外国人が掛け持ちでアルバイトやパートで働く場合は、アルバイト・パート時間の合計が週28時間を超えないようにしなければなりません。

 

 1箇所でのアルバイト・パートの時間が週28時間以内であれば良いというわけではありませんのでご注意ください。

 

 例えば、A店で週14時間働き、B店で週14時間働く場合は、アルバイト・パート時間の合計が週28時間以内に収まりますので、問題はありません。

 しかし、A店で週14時間働き、B店で週15時間働く場合は、アルバイト時間の合計が週28時間を超えますので、資格外活動違反に問われてしまいます。

 

 家族滞在ビザの外国人をアルバイト・パートで雇用する場合は、掛け持ちしているアルバイト・パートについても確認した上で、勤務時間をしっかりと管理するようにしましょう。

 

家族滞在ビザを持つ外国人のアルバイト・パートでは、「単純労働」が認められています

 就労ビザで働く場合には、行うことができる仕事の範囲が限定されており、いわゆる「単純労働」を行うことは、原則、認められていません。

 しかし、家族滞在ビザの外国人のアルバイト・パートに関しては、「単純労働」に従事することが認められています。

 

 従いまして、例えば、接客業務や、販売業務、工場の軽作業など、単純労働とみなされる職種で外国人を雇用したい場合は、家族滞在ビザの外国人をアルバイト・パートで採用することが選択肢になり得るでしょう。

 

家族滞在ビザの外国人は、風俗営業などに関連するアルバイト・パートは不可です

 家族滞在ビザの外国人は、資格外活動許可を受けていれば、「単純労働」に従事することが認められていますが、風俗営業などに関連するアルバイト・パートは禁止されています。

 

 法律上の「風俗営業」は、一般的なイメージよりも範囲が広く、スナックや、パブ、ラウンジ、パチンコ店、マージャン店、ゲームセンターなども「風俗営業」に該当します。

 ですから、たとえ資格外活動許可を取っていても、家族滞在ビザの外国人がこれらの店舗で働くことは認められていません。

 勿論、家族滞在ビザの外国人は、性風俗店などで働くことも禁じられています。

 

 なお、これらの「風俗営業」の店舗で、例えば、清掃作業や食器洗いなどの仕事を行う場合であっても、資格外活動違反になってしまいますのでご注意ください。

 

まとめ

 

Memo   

家族滞在ビザを持つ外国人は、資格外活動許可を取れば、週28時間以内までアルバイト・パートで働くことが可能です。

家族滞在ビザを持つ外国人は、就労ビザでは原則禁止されている単純労働が認められています。ただし、風俗営業関連のアルバイトは禁じられています(性風俗店は勿論のこと、スナックや、パブ、ラウンジ、パチンコ店、マージャン店、ゲームセンターなどで働くことも禁じられています)

 

 前のコラム【就労ビザが無くても就労可能なケース②:外国人留学生のアルバイト】を読む

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