調理師として技能ビザを申請するケースの中でも、最も多いのが中華料理(中国料理)の調理師で技能ビザの取得を目指すケースです。
そこで、中国人の調理師を雇用する際の注意点について、詳しく解説してみたいと思います。
目次
技能ビザで中国人の調理師を雇用する場合は、戸口簿や職業資格証明書も確認しましょう
技能ビザで中国人の調理師を雇用する場合は、本人の履歴書や在職証明書だけでなく、戸口簿や職業資格証明書も確認して、調理師としての経歴を確かめることをお勧めします。
では、戸口簿や職業資格証明書のどういった点を確認すればよいのでしょうか。
以下に、戸口簿および職業資格証明書で確認すべき事項について、説明させていただきます。
戸口簿とは
まず、戸口簿とは、どのようなものでしょうか。
戸口登記条例により、中国の国民は、常住地で常住人口として登記しなければなりません。
登記内容に基づいて、各世帯には戸口簿(居民戸口簿)が発給されます。
戸口簿には、戸主の氏名や本戸の住所、そして、戸主と同居している人の氏名、性別、民族、出身地、生年月日、住民身分証番号、血液型、学歴、婚姻状況などの個人情報が記載されています。
また、身分行為(例えば、婚姻や離婚など)や移転などがあった場合には、登記機関へ届出を行う義務があります。
戸口簿の確認事項
戸口簿には、職業も記載されています。
そして、職業に関しても登記機関への届出義務があります。
ですから、戸口簿の職業欄を見れば、現在の職業を確認することができます。
例えば、来日直前まで中国で調理師として働いていれば、戸口簿の職業欄には「厨師」や「烹理師」など、調理師としての記載があるはずです。
もしも戸口簿の職業欄に「農業戸」や「職工」と記載されていれば、中国で調理とは全く関係の無い仕事をしていたことになりますので、調理師としての経歴が疑われることになります。
また、来日直前まで中国で調理師として勤務している場合、戸口簿の服務処欄(勤務地を示す欄)には、「○○招待所」や「○○館」など、調理師としての勤務地にふさわしい記載があるはずです。
当然ながら、調理師としての経歴が疑われるような記載が戸口簿にあると、技能ビザの許可を得るのは難しくなるでしょう。
職業資格証明書とは
中国の職業資格証明書は、各種の資格を必要とする職業を証明する証明書です。
ですから、職業が調理師であることは、職業資格証明書でも確認することができます。
職業資格証明書の確認事項
調理師の場合、職業資格証明書の職業欄には、例えば、「中式烹調師」や「中式面点師」といった調理師としての記載があります。
「中式烹調師」は、様々な調理法により一般的な中国料理の調理を行う調理師を意味します。
そして、「中式面点師」は、麺類の調理や、餃子などの点心の調理を行う調理師を意味します。
なお、中国では、調理師に関して、以下の5つの等級が設けられています。
・高級技師(国家職業資格1級)
・技師(国家職業資格2級)
・高級(国家職業資格3級)
・中級(国家職業資格4級)
・初級(国家職業資格5級)
これらの5つの等級のうち初級は、10年以上の実務経験を有する調理師の技能レベルとしては低いと判断され、技能ビザの取得は難しくなります。
まとめ
fa-hand-o-upMemo
fa-tags 技能ビザで中国人の調理師を雇用する場合は、本人の戸口簿や職業資格証明書の職業欄も確認しておいた方がよいでしょう。
fa-tags 戸口簿や職業資格証明書の職業欄の記載に矛盾があったり、職業資格証明書の等級が初級であったりすると、技能ビザの許可を取るのは難しいと言えます。
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