オフィスでの研修中に男性講師に対して質問をする女性

 前回のコラム【4つのカテゴリーで考える在留資格①:カテゴリー分け】では、在留資格が4つのカテゴリーに大別されることに触れました。

 ここでは、これら4つのカテゴリーのうち、就労ビザに該当する在留資格のカテゴリーについて解説したいと思います。

 

在留資格の4つのカテゴリー

 

カテゴリーA:就労できる在留資格(活動の制限あり)

カテゴリーB:身分・地位に基づく在留資格(活動の制限無し)

カテゴリーC:就労の可否が指定される活動によって決まる在留資格

カテゴリーD:就労できない在留資格

 

就労ビザに該当する在留資格のカテゴリー

 これら4つのカテゴリーのうち、就労ビザに該当するのは、以下のカテゴリーA(就労できる在留資格)になります。

 

カテゴリーA: 就労できる在留留資格(活動の制限有り)

在留資格該当例
外交外国政府の大使、公使、総領事、代表団構成員、およびその家族
公用外国政府の大使館・領事館の職員、国際機関などから公の用務で派遣される者、およびその家族
教授大学教授など
芸術作曲家、画家、作家など
宗教外国の宗教団体から派遣される宣教師など
報道外国の報道機関の記者、カメラマンなど
高度専門職ポイント制による高度人材
経営・管理企業などの経営者、管理者
法律・会計業務弁護士、公認会計士など
医療医師、歯科医師、看護師など
研究政府関係機関や企業の研究者など
教育高等学校や中学校の語学教師など
技術・人文知識・ 国際業務機械工学などの技術者、通訳、デザイナー、語学講師など
企業内転勤外国の事業所からの転勤者
介護介護福祉士
興行俳優、歌手、ダンサー、プロスポーツ選手など
技能外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機パイロット、貴金属加工職人など
特定技能特定産業分野において一定の専門性・技能を有する外国人材
技能実習技能実習生

 

 なお、カテゴリーCの在留資格「特定活動」は、行うことができる活動が個別に指定されますが、指定される活動が就労活動である場合、就労ビザに該当することになります。

 

カテゴリーC: 就労の可否が指定される活動によって決まる在留資格

在留資格該当例
特定活動外交官などの家事使用人、ワーキングホリデー、インターンシップなど

 

 例えば、通訳業務を担当予定の外国人を雇用する場合は、カテゴリーA(就労できる在留資格)のうち「技術・人文知識・国際業務」が該当しますので、在留資格「技術・人文知識・国際業務」を申請することになります。

 海外から外国人をインターンシップで受け入れる場合であれば、カテゴリーC(就労の可否が指定される活動によって決まる在留資格)に該当しますので、在留資格「特定活動」を申請することになります。

  

 就労ビザを申請する際には、予定している仕事の内容が、カテゴリーA(就労できる在留資格)あるいはカテゴリーC(就労の可否が指定される活動によって決まる在留資格)に当てはまるのか否かを、適切に判断しなければなりません。

 

就労可能な在留資格(就労ビザ)が許可されても、行える就労活動には制限があります

 カテゴリーA(就労できる在留資格)およびカテゴリーC(就労の可否が指定される活動によって決まる在留資格)では、外国人が行うことができる活動が厳密に制限されています。

 ですから、たとえ就労可能な在留資格(就労ビザ)が許可されたとしても、外国人が行える就労活動は、その在留資格(就労ビザ)で定められた範囲内に限定されます。

 

 例えば、システムエンジニアとして在留資格「技術・人文知識・国際業務」が許可された外国人は、あくまでシステムエンジニアとしての活動が認められているわけですから、調理師として働いたりすると、不法就労になってしまいます。

 

 つまり、就労可能な在留資格(就労ビザ)が許可されれば、どのような仕事でもできるというわけではありませんので、その点は十分にご注意ください。

 

 

まとめ

 

Memo   

就労ビザに該当するのは、4つのカテゴリーのうち、カテゴリーA(就労できる在留資格)です。

カテゴリーCの在留資格「特定活動」は、外国人が行うことができる活動が個別に指定されます。指定される活動が就労活動であれば、カテゴリーCの在留資格「特定活動」も就労ビザに該当することになります。

就労可能な在留資格(就労ビザ)が許可された外国人は、在留資格で定められた範囲内の仕事しかできません。

 

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