契約書に署名しようとしている

 特定技能ビザ(在留資格「特定技能」)で活動する外国人は、勤務先となる特定技能所属機関(受入れ機関)と雇用契約を結んだ上で、就労することになります。

 特定技能外国人と特定技能所属機関(受入れ機関)との雇用契約(特定技能雇用契約)は、以下の基準を満たさなければなりません。

雇用契約(特定技能雇用契約)の基準

 (1) 分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること

 (2) 所定労働時間が、同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること

 (3) 報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること

 (4) 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと

 (5) 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること

 (6) 労働者派遣の対象とする場合は、派遣先や派遣期間が定められていること

    現在(2020年4月1日時点)、派遣が認められているのは、農業分野と漁業分野のみです。

 (7) 外国人が帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること

 (8) 受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること

 (9) 分野に特有の基準に適合すること(分野所管省庁の定める告示で規定)

 

雇用契約の基準(1)

 (1) 分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること

 

 雇用契約の基準(1)は、従事させる業務に関する基準です。

 

 1号特定技能外国人については、「相当程度の知識もしくは経験を必要とする技能」を必要とする業務に従事させるものでなければなりません。

 2号特定技能外国人については、「熟練した技能」を必要とする業務に従事させるものでなければなりません。

 

雇用契約の基準(2)

 (2) 所定労働時間が、同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること

 

 雇用契約の基準(2)は、労働時間に関する基準です。

 

 特定技能外国人の所定労働時間は、特定技能所属機関(受入れ機関)に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であることが求められます。

 

雇用契約の基準(3)

 (3) 報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること

 

 雇用契約の基準(3)は、報酬額に関する基準です。

 

 特定技能外国人の報酬額は、同等の業務に従事する日本人労働者の報酬額と同等以上であることが求められます。

 特定技能外国人に対する報酬額は、外国人であることを理由にして不当に低くすることは認められていません。

 

 特定技能外国人の報酬額に関する注意点

 ・同程度の技能などを有する日本人労働者がいる場合

 特定技能外国人が任される職務内容やその職務に対する責任の程度が日本人労働者と同等であることを説明した上で、日本人労働者に対する報酬額と同等以上であることを説明する必要があります(外国人労働者と比較した際に、日本人労働者に不当に安い賃金を支払う結果とならないように留意してください)。

 ・同程度の技能などを有する日本人労働者がいない場合

 <賃金規程がある>

 特定技能外国人に対する報酬額が日本人労働者に対する報酬額と同等以上であるということを、賃金規程に基づいた報酬体系の観点から説明を行うことになります。

 <賃金規程がない>

 例えば、特定技能外国人が任される職務内容やその職務に対する責任の程度が最も近い職務を担当する日本人労働者と比べてどのように異なるかという観点から説明を行うことになります。

 

雇用契約の基準(4)

 (4) 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと

 

 雇用契約の基準(4)は、差別的な取扱いに関する基準です。

 

 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設(社員住宅、診療施設、保養所、体育館など)の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないことが求められます。

 

雇用契約の基準(5)

 (5) 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること

 

 雇用契約の基準(5) は、一時帰国のための有給休暇取得に関する基準です。

 

 特定技能所属機関(受入れ機関)は、特定技能外国人が一時帰国を希望したとき、事業の適正な運営を妨げる場合など、業務上やむを得ない事情がある場合を除き、何らかの有給休暇を取れるように配慮することが求められます。

 

 例えば、既に労働基準法上の年次有給休暇を全て取った特定技能外国人が一時帰国を希望した場合にも、追加的な有給休暇の取得や無給休暇を取れるように配慮することが望まれます。

 

雇用契約の基準(6)

 (6) 労働者派遣の対象とする場合は、派遣先や派遣期間が定められていること

 

 雇用契約の基準(6)は、派遣労働に関する基準です。

 

 労働者派遣法または船員職業安定法に基づいて、特定技能外国人を派遣労働者として雇用する場合は、特定技能外国人の派遣先および派遣期間が定められていることが求められます。

 

 なお、現在(202041日時点)、派遣形態での特定技能外国人の雇用は、農業分野と漁業分野のみに限定されています。

 

雇用契約の基準(7)

 (7) 外国人が帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること

 

 雇用契約の基準(7)は、特定技能外国人の帰国担保措置に関する基準です。

 

 特定技能雇用契約の終了後、特定技能外国人が帰国する際の帰国費用は、原則、本人負担です。

 しかし、特定技能外国人が帰国費用を負担することができない場合、特定技能所属機関(受入れ機関)は、帰国費用を負担するとともに、特定技能外国人が円滑に出国できるような措置(例えば、帰国のための航空券の予約・購入など)を取ることが求められます。

 

雇用契約の基準(8)

 (8) 受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることとしていること

 

 雇用契約の基準(8)は、健康状況や生活状況などを把握するための措置に関する基準です。

 

 特定技能外国人が安定的に日本で就労できるように、特定技能外国人の健康状況や生活状況などを把握するために必要な措置(健康診断、定期健康診断、緊急連絡網の整備、定期的な面談など)を取ることが求められます。

 

雇用契約の基準(9)

 (9) 分野に特有の基準に適合すること(分野所管省庁の定める告示で規定)

 

 特定産業分野ごとの特有の事情を考慮して個別に定める基準に適合していることが求められます。

 告示で基準が定められている場合であっても、その内容は分野ごとに異なります。

 

 

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