技能ビザの条件(要件)には、職種ごとに異なる条件と、各職種に共通する条件とがあります。
予定している職種が、技能ビザの対象となる9つの職種のいずれかに該当することを確認した後は、職業ごとの条件(要件)について確認しましょう。
それでは、技能ビザの対象となる職種ごとの条件を、以下にまとめてみましょう。
目次
①「外国料理の調理師・コック・パティシエなど」の条件
対象となる外国人
中国料理、フランス料理、インド料理などの外国料理の調理師(コック・シェフ)や、点心、パン、デザートなどの食品を製造する調理師、洋菓子のパティシエなどが対象となります。
実務経験
10年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の調理専門学校などで学んだ期間を含めることができます。
日本の調理専門学校で学んだ期間は、実務経験に含めることはできませんのでご注意ください。
例えば、中国の調理専門学校で中華料理を2年間専攻し、その後、中国の中華料理店で8年間勤務している場合、実務経験の条件を満たすことができます。
タイ料理人の例外規定
日本とタイの経済連携協定の取り決めにより、タイ料理の調理師の場合は、実務経験が5年以上でよいことになっています。
ただし、以下の条件を満たしていることが求められます。
(1) タイ料理人として5年以上の実務経験があること(タイの調理学校などで教育を受けた期間を含む)
(2) 初級以上のタイ料理人としての証明書を持っていること
(3) 来日直前の1年間、タイでタイ料理人として妥当な報酬をもらっていること
初級以上のタイ料理人であれば、実務経験は5年でよいですが、来日直前の1年間は、タイでタイ料理人として働いていることが必要になりますのでご注意ください。
②「外国特有の建築技術者」の条件
対象となる外国人
外国特有の建築・土木に関する技能を有する外国人が対象となります。
外国特有の建築・土木に関する技能の例としては、ゴシック様式や、ロマネスク様式、バロック様式、中国式、韓国式の建築・土木に関する技能、ツーバイフォー工法による輸入住宅の建設に関する技能、輸入石材による直接貼り付け工法に関する技能などが挙げられます。
実務経験
10年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関で建築・土木に関する科目を専攻していた期間を含めることができます。
なお、外国特有の建築・土木に関する技能を要する業務経験が10年以上ある外国人の指揮監督の下で働く場合、実務経験は5年以上でよいことになっています。
③「外国製品の製造・修理」の条件
対象となる外国人
外国特有の製品の製造・修理に関する技能を有する外国人が対象となります。
外国特有の製品の例としては、ヨーロッパのガラス製品やペルシャ絨毯などが挙げられます。
実務経験
10年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関で外国製品の製造・修理に関する科目を専攻していた期間を含めることができます。
④「宝石・貴金属・毛皮加工」の条件
対象となる外国人
宝石、貴金属または毛皮の加工に関する技能を有する外国人が対象となります。
なお、宝石の加工には、宝石を用いて製品を作るプロセスだけでなく、原石から宝石を作るプロセスも含まれます。
また、毛皮の加工には、毛皮を用いて製品を作るプロセスだけでなく、動物から毛皮を作るプロセスも含まれます。
ただし、皮の加工に関しては、毛が付いている必要があります。
毛皮の加工は認められる一方で、皮革の加工は認められません。
実務経験
10年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関で宝石・貴金属・毛皮加工に関する科目を専攻していた期間を含めることができます。
⑤「動物の調教」の条件
対象となる外国人
動物の調教に関する技能を有する外国人が対象となります。
実務経験
10年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関で動物の調教に関する科目を専攻していた期間を含めることができます。
⑥「石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削、海底鉱物探査のための海底地質調査」の条件
対象となる外国人
石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削、または海底鉱物探査のための海底地質調査に関する技能を有する外国人が対象となります。
実務経験
10年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関で石油探査のための海底掘削、地熱開発のための掘削、または海底鉱物探査のための海底地質調査に関する科目を専攻していた期間を含めることができます。
⑦「航空機パイロット」の条件
対象となる外国人
航空機の操縦に関する技能を有する外国人パイロット(機長または副操縦士)が対象となります。
なお、航空機関士は、技能ビザ(在留資格「技能」)ではなく、技術・人文知識・国際業務ビザ(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)の対象となります。
実務経験
250時間以上の飛行経歴が必要です。
⑧「スポーツ指導者」の条件
対象となる外国人
スポーツの指導に関する技能を有する外国人が対象となります。
実務経験
3年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関でスポーツ指導に関する科目を専攻していた期間や、プロスポーツ選手として活動していた期間を含めることができます。
また、オリンピック、世界選手権大会、アジア大会などの国際的な大会の出場経験がある場合、スポーツ指導の実務経験は不要となります。
なお、スキーインストラクターの場合、国際スキー教師連盟(ISIA)が発行するISIAカードを持っていれば、実務経験は問われません。
技能ビザの対象となるスポーツの指導は、必ずしもアマチュアスポーツの指導に限られません。
しかし、例えば、野球やサッカー、バスケットボールなど、チームで行うプロスポーツでの監督やコーチなどは、技能ビザ(在留資格「技能」)ではなく、興業ビザ(在留資格「興業」)の対象となりますのでご注意ください。
⑨「ソムリエ」の条件
対象となる外国人
ワインの鑑定や提供などソムリエとしての技能を有する外国人が対象となります。
実務経験
5年以上の実務経験が必要です。
実務経験には、外国の教育機関でワインの鑑定や提供などに関する科目を専攻していた期間を含めることができます。
なお、ソムリエに関しては、5年以上の実務経験に加えて、国際ソムリエコンクールの受賞歴あるいは出場歴が必要となります。
具体的には、以下のいずれかに該当していなければなりません。
・国際ソムリエコンクール(例えば、国際ソムリエ協会が主催する「世界最優秀ソムリエコンクール」など)で入賞以上の賞を獲得していること
・各国から1名しか出場できないような国際ソムリエコンクールに出場したことがあること
まとめ
fa-hand-o-upMemo
fa-tags 技能ビザの条件には、職種ごとに異なる条件と、各職種に共通する条件とがあります。例えば、求められる実務経験の年数は、職種によって異なります。
fa-tags 予定している職種が、技能ビザの対象となる職種に該当することを確認した後は、職業ごとの条件について確認しましょう。
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