様々な国の国旗が青空を背景にはためいている

 ここでは、帰化申請の5つ目の基本条件である「重国籍防止条件」について解説させていただきます。

「重国籍防止条件」とは

 「重国籍防止条件」とは、国籍法の第5条第1項第5号に定められている次の条件です。

 

帰化申請の基本条件⑤:重国籍防止条件
国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと

  

 日本は、原則として二重国籍を認めていません。

 そのため、帰化が許可されて日本国籍を取得したときに、それまで持っていた国籍を失うことができることが要件として定められています。

 

兵役義務がある国の方は要注意です

 重国籍防止条件で特に注意すべき点は、兵役義務です。

 徴兵制度を取っており、兵役義務がある国では、兵役を終えるまでは国籍の離脱が認められない場合があります。

 

 ですから、徴兵制度がある国のご出身で、兵役義務を果たしていない方の場合は、兵役を終えていなくても国籍離脱が可能か否かについて、必ず事前に確認しておきましょう。

 

日本に住む韓国籍男性の特別永住者の兵役義務

 韓国は徴兵制度を取っていますので、韓国人の成年男性には兵役義務があり、兵役義務を果たさなければ、国籍を離脱することができません。

 しかし、日本に住む韓国籍男性の特別永住者については、「在外国民2世」と認められる場合、兵役義務が免除されますので、通常、帰化申請のときに重国籍防止条件に引っかかることはありません。

 

 ただし、「在外国民2世」と認められる方であっても、例えば、199411日以後に生まれた方は、18歳以降に通算で3年を超えて韓国に滞在した場合は、「在外国民2世」の地位が失われて、「一般国外移住者」となります。

 兵役の対象年齢にある方が「一般国外移住者」になった後、 韓国に1年間のうち通算で 6ヶ月以上滞在した場合や、 韓国で就職した場合などには、兵役義務が生じることになります。

 このような場合には、兵役義務を果たすまでは、韓国の国籍を離脱することができず、重国籍防止条件をクリアすることが不可能になります。

 

 つまり、たとえ日本に住む韓国籍男性の特別永住者であっても、兵役の対象となる年齢にある方は、韓国での滞在日数に十分注意する必要があります。

 

 韓国籍男性の特別永住者の兵役義務に関する注意点については、こちらをご覧になってください

 

国籍を離脱できない国

 国によっては、国籍の離脱に関して制限を課している場合があります。

 そもそも国籍の離脱を認めていない国もありますし、未成年者については国籍離脱を認めていない国もあります。

 

 例えば、アルゼンチンで生まれた人は、憲法の規定により、生涯アルゼンチン人であり、アルゼンチンの国籍を離脱することが認められていません(在アルゼンチン日本大使館サイト国籍事務のご案内)。

 

 ただし、このように本人の意思では国籍を離脱できない方の場合は、国籍法の第5条第2項の規定により、重国籍防止条件をクリアできなくても帰化が許可される可能性があります(法務大臣の裁量によりますので必ず許可されるというわけではありません)。

 

 <国籍法第5条第2項>

  『法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号()に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

   国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと(国籍法第5条第1項第5号)

 

 帰化申請をお考えの方は、自国が国籍離脱に関して制限を課しているか否かについても、念のため事前に確認しておいた方がよいでしょう。

 

 

 次回のコラムでは、帰化申請の6つ目の基本条件である「思想条件」について解説してみたいと思います。

 

まとめ

 

Memo   

重国籍防止条件では、日本への帰化が許可されたときに、それまで持っていた国籍を失うことができることが求められています。

徴兵制度を取っている国のご出身で、まだ兵役を終えていない方は、国籍の離脱が可能か否かについて、事前に確認しておきましょう。

韓国人の成年男性には兵役義務があり、兵役義務を果たさなければ、国籍を離脱することができませんが、日本に住む韓国籍男性の特別永住者については、「在外国民2世」と認められる場合、兵役義務は免除されますので、通常、重国籍防止条件が問題になることはありません。

兵役の対象年齢にある方が「在外国民2世」の地位を失って「一般国外移住者」になると、韓国に長期滞在(年間で通算6ヶ月以上の滞在)した場合や韓国で就職した場合などに兵役義務が生じますのでご注意ください。

国によっては、そもそも国籍の離脱を認めていない場合がありますが、国籍法第5条第2項の規定により、重国籍防止条件をクリアできなくても帰化が許可される可能性があります。

 

 前のコラム【帰化申請の基本条件④:生計条件】を読む

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