給与明細書

 次に、技術・人文知識・国際業務ビザの基本要件の一つである「日本人と同額以上の報酬」について説明してみたいと思います。

「日本人と同額以上の報酬」とは

 技術・人文知識・国際業務ビザで働く外国人の報酬は、日本人の報酬と同額以上でなければなりません。

 つまり、雇用者が外国人を単に低賃金労働者と考えているような場合は、この「報酬」の要件をクリアすることはできません。

 

 基本的に、技術・人文知識・国際業務ビザをはじめとする就労ビザ全般で、外国人の報酬は、日本人と同額以上の報酬であることが要件になっています。

 

「報酬」の計算方法

 ここで言う「報酬」は、基本給と賞与の合計を意味します。

 通勤手当、扶養手当、住宅手当などの実費弁償的な手当は、報酬には含まれません。

 

 報酬の月額は、基本給12ヶ月分と賞与の合計を12で割った額になります。

 例えば、基本給の月額が20万円で、30万円の賞与が年2回ある場合は、(20万円×12)+(30万円×2)= 300万円ですので、報酬の月額は 25万円となります。

 

日本人と同額以上の報酬であるか否かの判断基準

 日本人と同額以上の報酬であるか否かは、基本的には、技術・人文知識・国際業務ビザで働く外国人の報酬が、同じ会社で同様の業務に従事する日本人の報酬と同額以上か否かによって判断されます。

 

 ただし、同種の業務を行う他の会社の賃金も参考にして判断されますので、日本人に支払われる賃金が同じ業界の平均賃金よりも明らかに低い場合は、たとえ日本人の報酬と同額以上であっても「報酬」の要件を満たすことはできません。

 

 給与水準は業界や業種ごとに違いますので、一概には言えませんが、報酬の月額が17~18万円を下回ると不許可リスクが高まります。

 なお、業務委託契約の場合であれば、300万円程度以上の年間報酬が保障されることが望ましいです。

 

まとめ

 

Memo   

技術・人文知識・国際業務ビザで働く外国人の報酬は、同じ事業所で同様の業務に従事する日本人の報酬と同額以上でなければなりません。

「報酬」は、基本給と賞与の合計です。通勤手当、扶養手当、住宅手当などの実費弁償的な手当は、「報酬」には含まれません。

給与水準は業種ごとに異なるため、一概には言えませんが、報酬の月額が17~18万円を下回ると不許可リスクが高くなると言えます。

 

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