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 1号特定技能外国人は、原則、所定の技能試験および日本語試験に合格していなければなりません。

 ここでは、特定技能1号の技能試験について解説させていただきます。

技能試験とは

 1号特定技能外国人(特定技能1号で就労する外国人)は、「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を有することが求められています。

 つまり、1号特定技能外国人は、一定レベル以上の技能を有しており、特別な訓練を受けなくても、ある程度即戦力となることが期待されています。

 

 1号特定技能外国人が一定レベル以上の技能(相当程度の知識又は経験を必要とする技能)を有することは、原則、技能試験に合格していることによって確認されます。

 ただし、技能実習生の場合、「技能実習2号」を良好に修了していれば、技能試験が免除されます。

 

技能試験の概要

試験科目

 原則、学科試験と実技試験が実施されます。

 分野によっては、学科試験と実技試験のいずれか一方のみで技能レベルを確認する場合や、実技試験を一定期間の実務経験で代替する場合もあります。

 ただし、実務経験のみで技能レベルを確認することはありません。

 

技能試験の区分

 下記の表に示すように、技能試験は、従事する業務ごとに区分されています。

 下記の表は、2020年9月4日時点で公表されている情報に基づいて作成しております。最新の情報については各分野の関連サイト(「技能試験の情報に関するリンク集」)などでご確認くださいますようお願いいたします。

 

特定産業分野従事する業務(業務区分)
介護・身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)

 *訪問系サービスは対象外

 <1試験区分>

ビルクリーニング・建築物内部の清掃

 <1試験区分>

素形材産業・鋳造

・鍛造

・ダイカスト

・機械加工

・金属プレス加工

・工場板金

・めっき

・アルミニウム陽極酸化処理

・仕上げ

・機械検査

・機械保全

・塗装

・溶接

 <13試験区分>

産業機械製造業・鋳造

・鍛造

・ダイカスト

・機械加工

・塗装

・鉄工

・工場板金

・めっき

・仕上げ

・機械検査

・機械保全

・工業包装

・電子機器組立て

・電気機器組立て

・プリント配線板製造

・プラスチック成形

・金属プレス加工

・溶接

 <18試験区分>

電気・電子情報関連産業・機械加工

・金属プレス加工

・工場板金

・めっき

・仕上げ

・機械保全

・電子機器組立て

・電気機器組立て

・プリント配線板製造

・プラスチック成形

・塗装

・溶接

・工業包装

 <13試験区分>

建設・型枠施工

・左官

・コンクリート圧送

・トンネル推進工

・建設機械施工

・土工

・屋根ふき

・電気通信

・鉄筋施工

・鉄筋継手

・内装仕上げ/表装

・とび

・建築大工

・配管

・建築板金

・保温保冷

・吹付ウレタン断熱

・海洋土木工

 <18試験区分>

造船・舶用工業・溶接

・塗装

・鉄工

・仕上げ

・機械加工

・電気機器組立て

 <6試験区分>

自動車整備・自動車の日常点検整備、定期点検整備、分解整備

 <1試験区分>

航空・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物・貨物取扱業務等)

・航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)

 <2試験区分>

宿泊・フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供

 <1試験区分>

農業・耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)

・畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)

<2試験区分>

漁業・漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)

・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)

<2試験区分>

飲食料品製造業・飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)

 <1試験区分>

外食業・外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)

 <1試験区分>

 

試験実施(予定)場所

 技能試験は、海外での実施を前提にしていますが、人材への需要などを考慮し、分野によっては日本国内でも実施されます。

 下記の表は、2020年9月4日時点で公表されている情報に基づいて作成しております。最新の情報については各分野の関連サイトでご確認くださいますようお願いいたします。

 

特定産業分野試験実施(予定)場所
介護海外(カンボジア、インドネシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、フィリピン)および日本国内

 厚生労働省HPで試験実施予定を確認する

ビルクリーニング海外(ミャンマー、フィリピン)および日本国内

 全国ビルメンテナンス協会HPで試験実施予定を確認する

素形材産業

産業機械製造業

電気・電子情報関連産業

日本国内(海外での実施は未定)

 経済産業省ポータルサイトで試験実施予定を確認する

建設日本国内(海外での実施は未定)

 建設技能人材機構HPで試験実施予定を確認する

造船・舶用工業海外(フィリピン、インドネシア)および日本国内

 日本海事協会HPで試験実施予定を確認する

自動車整備海外(フィリピン)

 日本自動車整備振興会連合会HPで試験実施予定を確認する

航空<空港グランドハンドリング>

海外(フィリピン)および日本国内

<航空機整備>

海外(モンゴル)

 ・日本航空技術協会HPで試験実施予定を確認する

宿泊日本国内

 宿泊業技能試験センターHPで試験実施予定を確認する

農業海外(カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン)および日本国内

*今後、中国、ベトナム、タイでも実施を予定

 全国農業会議所HPで試験実施予定を確認する

漁業海外(インドネシア、フィリピン)および日本国内

 大日本水産会HPで試験実施予定を確認する

飲食料品製造業海外(インドネシア、フィリピン)および日本国内

 外国人食品産業技能評価機構HPで試験実施予定を確認する

外食業海外(インドネシア、フィリピン、カンボジア)および日本国内

 外国人食品産業技能評価機構HPで試験実施予定を確認する

 

試験言語

 技能試験で使用される言語は、以下のように、特定産業分野ごとに異なります。

 下記の表は、2020年9月4日時点で公表されている情報に基づいて作成しております。最新の情報については各分野の関連サイト(「技能試験の情報に関するリンク集」)などでご確認くださいますようお願いいたします。

 

特定産業分野試験言語
介護試験実施国の現地語
ビルクリーニング日本語(専門用語などは注釈として英語や現地語などで記載する場合あり)
素形材産業

産業機械製造業

電気・電子情報関連産業

試験実施国の現地語
建設日本語(必要に応じてルビを使用、専門用語などは他の言語を併記する場合あり)
造船・舶用工業日本語(必要に応じてルビを使用、専門用語などは他の言語を併記する場合あり)
自動車整備日本語(漢字にはルビを使用、カタカナで表記される専門用語は英単語を併記)
航空日本語(専門用語などは注釈として他の言語で記載する場合あり)
宿泊日本語(専門用語などは注釈として英語や現地語などで記載する場合あり)
農業試験実施国の現地語および日本語
漁業日本語(ひらがな、カタカナ、またはふりがなを付した漢字を使用)
飲食料品製造業日本語(必要に応じてルビを使用、専門用語などは注釈として他の言語を併記する場合あり)
外食業日本語

 

国内試験の受験資格(2020年(令和2)年4月1日以降)

 2020年(令和2)年331日までは、日本国内で技能試験を受験できる人は、中長期在留者や過去に中長期在留者として在留していた経験を有する人に限られていました。

 

 しかし、2020年(令和2)年41日以降は、何らかの在留資格を有していれば、日本国内での技能試験の受験が可能になりました。

 ですから、過去に中長期在留者として在留したことがない外国人であっても、例えば、短期滞在ビザ(在留資格「短期滞在」)で日本に入国して、日本国内で技能試験を受験することができるようになりました。

 

 なお、以下に該当する外国人については受験資格が認められません。

 

 ・在留資格を有していない外国人(例えば、オーバーステイしている外国人など)

 ・退学・除籍処分となった留学生

 ・失踪した技能実習生

 ・在留資格「特定活動(難民認定申請)」により在留する者

 ・在留資格「技能実習」による実習中の者

 ・在留資格「特定技能」に関し、法務大臣が告示で定める退去強制令書の円滑な執行に協力しない国の者

 

技能試験の情報に関するリンク集

 各分野の技能試験についての最新情報などは、こちらのリンク先でご確認ください。

 

 介護分野(厚生労働省HP)

 ビルクリーニング分野(全国ビルメンテナンス協会HP)

 素形材産業分野(経済産業省HP)

 産業機械製造業分野(経済産業省HP)

 電気・電子情報関連産業分野(経済産業省HP)

 建設分野(建設技能人材機構HP)

 造船・舶用工業分野(日本海事協会HP)

 自動車整備分野(日本自動車整備振興会連合会HP)

 航空分野(日本航空技術協会HP)

 宿泊分野(宿泊業技能試験センターHP)

 農業分野(全国農業会議所HP)

 漁業分野(大日本水産会HP)

 飲食料品製造業分野(外国人食品産業技能評価機構HP)

 外食業分野(外国人食品産業技能評価機構HP)

 

まとめ

 

Memo   

「特定技能1号」を取得するためには、一定レベル以上の技能が必要とされており、原則、試験により技能レベルが確認されます。

技能試験は、従事する業務ごとに区分されています。

技能実習生の場合、「技能実習2号」を良好に修了していれば、技能試験が免除されます。

技能試験は、海外での実施が前提になっていますが、分野によっては国内でも実施されます。

2020年年41日以降は、何らかの在留資格を有していれば、日本国内での技能試験の受験が認められるようになりましたので、短期滞在ビザ(在留資格「短期滞在」)で来日して日本国内で技能試験を受験することも可能になりました。

 

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