帰化申請の必要書類の中には、履歴書があります。
帰化申請時に提出する履歴書は2種類ありますが、ここでは、そのうちの1つである履歴書(その1)の書き方について説明させていただきます。
目次
履歴書(その1)のサンプル
履歴書(その1)は、このような書類です。
*法務省「帰化許可申請のてびき」より(参照番号は行政書士オフィスJが記入)
履歴書(その1)の各項目の書き方
履歴書(その1)には、申請者の居住歴(居住関係)、学歴・職歴、および身分関係を、出生時から現在まで時系列に記載します。
経歴の中に空白期間が無いように書いてください。
なお、履歴書は、15歳未満の方は提出不要です。
① 氏名
申請者の氏名をフルネームで記入します。
② 年月日
年月日は、西暦ではなく、日本の元号で記入してください。
元号は、昭和の場合は「昭」、平成の場合は「平」、令和の場合は「令」という形で省略して記載することができます。
年月までしか分からない場合は、「年」「月」まで記入し、「日」は空白にしておきます。
③ 居住関係
生まれたときから現在までの申請者の居住歴を記載します。
「居住関係」欄の1行目の記載
「居住関係」欄の1行目には、出生地を記入します。
日本生まれの方でしたら出生届記載事項証明書、外国生まれの方でしたら出生証明書などで出生地を確認して記入してください。
来日後の住所と住所移転日
来日後の住所と住所移転日を正確に書くためには、2012年7月8日以前については「閉鎖外国人登録原票」、2012年7月9日以降については「住民票の除票」を確認して記入するとよいでしょう。
閉鎖外国人登録原票
閉鎖外国人登録原票は、東京の出入国在留管理庁(出入国在留管理庁 総務課 情報システム管理室 出入国情報開示係)から郵送請求により取り寄せることができます。
閉鎖外国人登録原票の取り寄せ方などについては、【外国人登録原票(閉鎖外国人登録原票)のポイント解説】fa-arrow-circle-rightをご覧ください。
住民票の除票
住民票の除票は、2012年7月9日以降において、過去に住んでいた住所の役所から取得します。
例えば、2014年10月1日にA市からB市へ引っ越し、2017年6月1日にB市からC市へ引っ越し現在まで住んでいる場合、A市とB市それぞれから住民票の除票を取得することになります。
いつまで住んでいたかも記入します
「居住関係」欄に記載する住所ごとに、いつまで住んでいたかをカッコ書きで記入します。
例えば、ある住所に昭和51年3月まで住んでいた場合は、(51.3まで)と記入してください。
昭和から平成まで年号をまたぎ、平成5年8月まで住んでいた場合は、年号の省略形を付けて、(平5.8まで)と記入してください。
最後に現在の住所を記載した後に、続けてカッコ書きで(現在まで)と記入します。
④ 学歴・職歴
学歴についての記載
「学歴・職歴」欄の学歴については、小学校入学から記載してください。
「学歴・職歴」欄に記載した学歴を証明する資料として、帰化申請時には最終学歴の卒業証書の原本を提示した上で、卒業証書のコピーを2部提出します。
卒業証書を紛失している場合は、卒業証書を再発行してもらうか、卒業証明書を発行してもらう必要があります。
なお、特別永住者の方は、通常、卒業証書の提出が免除されます。
職歴についての記載
「学歴・職歴」欄の職歴については、本国での職歴も記載します。
来日した後の職歴には、アルバイト歴も含めて書いてください。
職歴には、担当していた業務も記入してください。
最後の行の記載
現在会社員の方は、最後に、現在の勤め先への入社日や担当業務などを記載した後に、続けてカッコ書きで(現在まで)と記入します。
現在お勤めになっている会社の入社日は、会社から発行してもらった「在勤及び給与証明書」に記載されている入社日を記入してください。
なお、特別永住者の方は、在勤及び給与証明書の提出に代えて、給与明細書のコピーなどの提出で済むことがあります。
しかし、特別永住者の方で入社日を覚えていない場合は、例えば、人事担当者などに聞いて確認する、あるいは入社日が記載された在勤及び給与証明書(帰化申請用の様式ではなく、会社独自の様式でも可)を会社から発行してもらって確認するなどする必要があります。
現在個人事業主の方でしたら、最後に、現在経営している事業の開業日や事業内容などを記載した後に、続けてカッコ書きで(現在まで)と記入します。
現在会社経営者あるいは会社役員の方の場合は、最後に、会社の設立日や役職などを記載した後に、続けてカッコ書きで(現在まで)と記入します。
⑤ 身分関係
「身分関係」欄には、申請者の出生・結婚・離婚、申請者の父母の死亡(申請者の出生後)、申請者の子の出生などについて記載します。
「身分関係」欄の1行目の記載
「身分関係」欄の1行目は、申請者の出生に関する記載になりますので、「出生」と記入します。
婚姻についての記載
申請者の結婚については、婚姻届を提出した日付を「年月日」欄に記入し、「身分関係」欄に配偶者の国籍と名前を記入してください。
例えば、韓国人の方と結婚している場合は、「身分関係」欄に、「韓国人○○と婚姻」と記載します。
事実婚についての記載
「身分関係」欄には、事実婚についても記入する必要があります。
事実婚の場合も、事実婚のお相手の国籍と名前を記入します。
例えば、韓国人の方と事実婚の状態になった場合は、「身分関係」欄に、「韓国人○○と事実婚」と記載します。
事実婚のお相手の方と、その後、正式に結婚された場合は、事実婚の記載がある欄のすぐ下の欄に記入するのであれば「上記婚姻届出」と書き、事実婚の記載がある欄のすぐ下の欄ではないのであれば「○○人○○と婚姻」と書きます。
父母の死亡についての記載
申請者の父母が亡くなっている場合は、「父死亡」あるいは「母死亡」と記入してください。
子の出生についての記載
申請者にお子さんが生まれている場合は、お子さんのお名前とともに、例えば、「長男○○出生」、「二男○○出生」、「長女○○出生」、「二女○○出生」などと記載します。
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