国旗で表された世界地図

 帰化申請の必要書類の中に「国籍証明書(国籍を証する書面)」という書類があります。

 ここでは、この「国籍証明書」について解説させていただきます。

「国籍証明書」とは

 「国籍証明書」とは、その名が示す通り、帰化申請者の国籍に関する証明書類です。

 

 帰化申請時に提出が求められる国籍証明書は、万国共通の書類ではありません。

 ですから、提出する国籍証明書は、帰化申請者の国籍ごとに異なります。

 

国籍証明書は、法務局から指示されてから取得するようにしましょう

 帰化申請の際に提出する国籍証明書は、本国の官憲(官庁・役所など)または在日大使館・領事館などから発行してもらいます。

 

 しかし、帰化申請者の国籍によっては、国籍証明書を取得する手続きを行うことで、帰化が許可される前に本国の国籍を失い、パスポートが使えなくなる場合があります。

 ですから、国籍証明書は、必ず、法務局の担当官から指示があったときに取得するようにしてください。

 

韓国籍・朝鮮籍の方の国籍証明書

韓国の国旗

 韓国籍・朝鮮籍の帰化申請者の場合、国籍証明書として、韓国の家族関係登録簿に基づく登録事項別証明書の一つである「基本証明書」という書類を提出すればよいことになっています。 

 

 なお、「朝鮮籍」とは、韓国籍ではない朝鮮半島出身者とその子孫を意味します。

 ですから、朝鮮籍は、国籍が北朝鮮であることを意味するものではありません。

 

 基本証明書を提出できない場合は、韓国の除籍謄本の提出が求められます。

 基本証明書も韓国の除籍謄本も提出できない場合は、帰化申請者の身分関係の記載がある日本の戸籍謄本・除籍謄本、戸籍届書の記載事項証明書などの提出が求められます。

 

 基本証明書や韓国の除籍謄本は、日本にある韓国大使館・領事館で取得することができます。

 関西エリアにお住まいの韓国籍・朝鮮籍の方でしたら、駐大阪大韓民国総領事館あるいは駐神戸大韓民国総領事館で申請手続きを行うことになります。

 

駐大阪大韓民国総領館
住所: 〒541-0056 大阪市中央区久太郎町2丁目5番13号 五味ビル
アクセス: 大阪メトロ御堂筋線「本町駅」12番出口または堺筋線「堺筋本町駅」11番出口から徒歩6分
窓口業務(家族関係登録簿の各種証明書の申請受付など)平日 9:00~16:00
電話番号: 06-4256-2345
駐神戸大韓民国総領事館
住所: 〒650-0004 神戸市中央区中山手通2-21-5
アクセス: 阪急・阪神・JR「三宮駅」から北(山側)へ徒歩約15分
窓口業務(家族関係登録簿の各種証明書の申請受付など) :  平日 9:00~17:00
電話番号: 078-221-4853

 

 なお、韓国籍・朝鮮籍の方は、帰化申請時に、身分関係を証明する書類として、通常、以下の本国書類を提出することが求められます。

 

 本人の基本証明書、家族関係証明書、婚姻関係証明書、入養関係証明書、親養子入養関係証明書、および除籍謄本

  父親の家族関係証明書、婚姻関係証明書、および除籍謄本

  母親の家族関係証明書、婚姻関係証明書、および除籍謄本

 実際に提出が求められる書類は、帰化申請者の状況によって異なります。

 

 ですから、韓国籍・朝鮮籍の方が帰化を申請する場合は、基本証明書を含め、これらの本国書類を、日本にある韓国大使館・領事館でまとめて取得することになります。

 

  先ほど、帰化申請者の国籍によっては、国籍証明書を取得する手続きによって、帰化が許可される前に本国の国籍を失う場合がありますので、国籍証明書は法務局の担当官から指示があったときに取得してください、と述べました。

 しかし、基本証明書や韓国の除籍謄本などを取得する手続きによって本国の国籍を失うようなことにはなりませんので、これらの書類の取得のタイミングに関してはそれほど気にしなくてもよいでしょう。

 

中国籍の方の国籍証明書

中国の国旗

 中国籍の方の場合の国籍証明書は、「退出中華人民共和国国籍証書」という書類になります。

 

 退出中華人民共和国国籍証書を申請する手続きは、日本にある中国大使館・領事館で行います。

 関西エリアにお住まいの中国籍の方でしたら、中国駐大阪総領事館で申請手続きを行うことになります。

 

中国駐大阪総領事館
住所: 〒550-0004 大阪府大阪市西区靱本町3丁目9-2
アクセス: 大阪メトロ「阿波座駅駅」9番出口から徒歩約3分
受付時間: 月曜日~金曜日 午前9:00~12:00(中国および日本の休日は休み)
電話番号: 06-6445-9481

 

退出中華人民共和国国籍証書の申請手続きに必要な書類

 申請手続きに必要となる書類は、以下の通りです。

 

 パスポート(原本の提示+写真のページのコピー)

 在留カード(原本の提示+表裏のコピー)または住民票(3ヵ月以内に発行されたもの)

 証明写真2枚(3cm×4cm

 退出中国人民共和国国籍申請表

  未成年者(18歳以下)の場合は、必要書類が異なりますので、中国大使館・領事館にご確認ください。

 

 以前は、国籍証明書(退出中華人民共和国国籍証書)を申請すると、日本への帰化が許可される前に中国の国籍が失われてしまい、パスポートが使えなくなっていました。

 しかし、現在は、国籍証明書を申請しても、日本国籍を取得するまでは、中国の国籍は失われず、中国のパスポートの使用が可能な取り扱いになっています。

 ただし、このような取り扱いが今後変更される可能性もありますので、念のために、国籍証明書の申請は、法務局の担当官から指示を受けてから行うほうがよいでしょう。

 

台湾籍の方の国籍証明書

台湾の国旗

 台湾籍の方の場合は、台北駐日経済文化代表処で喪失国籍手続きを行い、「内政部国籍喪失許可書」を取得して提出します。

 

 台北駐日経済文化代表処は、台湾と日本との外交の窓口となる民間機関で、実質的に台湾の大使館・領事館としての役割を果たしています。

 関西エリアにお住まいの台湾籍の方でしたら、大阪にある台北駐大阪経済文化弁事処で手続きを行うことになります。

 

台北駐大阪経済文化弁事処
住所: 〒530-0005大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー17階・19階
アクセス: 大阪メトロ四つ橋線「肥後橋駅」4番出口から徒歩5分
窓口時間:  午前9:00~11:30(申請および受領)/午後13:00~15:00(受領のみ)
      *土曜日、日曜日および日本の祝祭日は休み
電話番号: 06-6227-8623

 

 台湾籍の方の場合、内政部国籍喪失許可書を取得するために喪失国籍手続きを行うと、台湾の国籍を失うことになりますので、手続きのタイミングには注意する必要があります。

 台湾籍の帰化申請者に対しては、帰化の許可がほぼ確実になったときに、法務局の担当官から指示がありますので、その時点で喪失国籍手続きを行うようにしましょう。

 

国籍証明書の翻訳

 帰化申請の必要書類のうち、外国語で書かれた書類については、日本語の翻訳文が求められます。

 ですから、通常、国籍証明書には、日本語の翻訳文を添付する必要があります。

 

 翻訳文には、翻訳者の住所および氏名と翻訳年月日を記載の上、翻訳者が押印または署名する必要があります。

 なお、翻訳は、正しく翻訳ができるのであれば、帰化申請者本人を含め誰が行ってもかまいません。

 

まとめ

 

Memo   

国籍証明書は、帰化申請者の国籍に関する証明書類で、本国の官憲(官庁・役所など)または在日大使館・領事館などから発行してもらいます。

帰化申請者の国籍によっては、国籍証明書を取得するための手続きにより、本国の国籍を喪失してパスポートが使えなくなる場合がありますので、国籍証明書は、法務局の担当官から指示を受けたときに取得するようにしましょう。

韓国籍・朝鮮籍の帰化申請者は、国籍証明書として、家族関係登録簿に基づく基本証明書を韓国大使館・領事館から取得して提出すればよいことになっています。

中国籍の方の場合は、日本にある中国大使館・領事館で手続きを行い、退出中華人民共和国国籍証書を取得して提出します。

台湾籍の方の場合は、台北駐日経済文化代表処で喪失国籍手続きを行い、内政部国籍喪失許可書を取得して提出します(喪失国籍手続きにより、国籍が失われますので、必ず、法務局の担当官から指示があったときに取得するようにしてください)。

 

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