前回のコラム【「在留カード」って何?】fa-arrow-circle-rightの中で、外国人雇用に際しては必ず在留カードを確認する必要があることについて述べました。
そこで、ここでは、在留カードのチェックポイントについて詳しく解説していきたいと思います。
在留カードの1つ目のチェックポイントは、「就労制限の有無」欄です。
目次
「就労制限の有無」欄の位置
外国人雇用に際して在留カードを確認する場合に、まずチェックしていただきたいのが「就労制限の有無」欄です。
下記のサンプルに示すように、「就労制限の有無」欄は、顔写真の左側のカード中央部にあります。
<在留カードのサンプル(表面)>
(出典:法務省出入国在留管理庁HP)
「就労制限の有無」欄の記載内容
「就労制限の有無」欄には、以下のいずれかが記載されています。
•「就労制限なし」fa-arrow-circle-right
•「在留資格に基づく就労活動のみ可」fa-arrow-circle-right
•「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」fa-arrow-circle-right
•「指定書により指定された就労活動のみ可」fa-arrow-circle-right
•「就労不可」fa-arrow-circle-right
上記のサンプルでは、「就労制限の有無」欄に「就労不可」と書かれていますので、この在留カードの所持者は、原則、働くことができないということを意味します。
それでは、「就労制限の有無」欄の記載について、詳しく説明したいと思います。
「就労制限なし」
「就労制限の有無」欄に「就労制限なし」と記載されているのは、身分・地位に基づく在留資格(「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」、「定住者」)を持つ外国人です。
これらの外国人は、日本で一定の身分・地位を持つことから、違法でない限り、どのような仕事でも制限なく行うことができます。
いわゆる「就労ビザ」を持つ外国人の場合、従事できる仕事の内容は、在留資格の範囲内に制限されており、単純労働は認められていません。
それに対し、「就労制限の有無」欄に「就労制限なし」と記載されている外国人の場合は、「就労ビザ」を持っているわけではありませんが、日本人と同じように働くことが可能であり、単純労働も認められています。
また、雇用形態は、アルバイト・パート雇用でも正社員雇用でもかまいません。
「在留資格に基づく就労活動のみ可」
「就労制限の有無」欄に「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている外国人は、就労ビザ(就労可能な在留資格)を持つ外国人です。
例えば、中途採用の場合、外国人の転職希望者が所持する在留カードには、「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されているかと思います。
このようなケースでは、在留カードに記載されている在留資格の範囲内であれば、働くことができます。ただし、単純労働に従事することは認められません。
ですから、「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている場合は、予定している職務内容が、在留カードに記載されている在留資格の範囲内の仕事であるか否かを適切に判断しなければなりません。
外国人の転職希望者が就労ビザを持っているからといって、どのような仕事でもできるわけではありませんので、注意が必要です。
「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」
「就労制限の有無」欄に「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている外国人は、通常、技能実習生です。
技能実習生を雇用できるのは、技能実習を実施する機関に限られますので、在留カードに「指定書記載機関での在留資格に基づく就労活動のみ可」の記載がある外国人の場合は、通常、採用することはできません。
「指定書により指定された就労活動のみ可」
「就労制限の有無」欄に「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載されている外国人は、在留資格「特定活動」で滞在する外国人です。
例えば、大学・専門学校を卒業後に就職活動を続けている外国人や、ワーキングホリデー・インターンシップなどで滞在する外国人などが例として挙げられます。
これらのケースでは、在留カードに加えて、パスポートに添付されている「指定書」の記載内容も確認する必要があります。
指定書には、その外国人が日本において行うことができる活動が指定されています。
例えば、大学や専門学校を卒業後も就職が決まらず、就職活動を続けている外国人の場合、指定書には「就職活動及び当該活動に伴う日常的な活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。)」と記載されています。
この場合、資格外活動許可を受けていれば、週28時間までアルバイトで雇用することができます。
「就労不可」
「就労制限の有無」欄に「就労不可」と記載されている外国人は、外国人留学生や、家族滞在ビザで滞在する外国人などです。
これらの外国人については、原則、雇用することはできません。
しかし、次回のコラムでも述べますが、在留カードの裏面の「資格外活動許可」欄に、例えば「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載されていれば、原則、週28時間までアルバイト雇用することが可能です。ただし、フルタイム雇用はできません。
次回のコラム【在留カードのチェックポイント②:「資格外活動許可」欄】fa-arrow-circle-rightでは、この「資格外活動許可」欄について詳しく説明したいと思います。
まとめ
fa-hand-o-upMemo
fa-tags 「就労制限の有無」欄に「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載されている外国人は、いわゆる「就労ビザ」を持つ外国人です。
fa-tags 「就労制限の有無」欄に「就労不可」と記載されている外国人は、外国人留学生や、家族滞在ビザで滞在する外国人などであり、原則、日本で働くことが認められていません。
fa-tags 「就労制限の有無」欄に「就労不可」と記載されていても、在留カードの裏面の「資格外活動許可」欄に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」などと記載されていれば、原則、週28時間までアルバイトで雇用することができます。
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