帰化申請の必要書類の一つとして「動機書」という書類があります。
ここでは、この「動機書」の書き方について解説させていただきます。
目次
「動機書」とは
「動機書」とは、帰化申請者が提出しなければならない書類の一つです。
動機書には、「なぜ日本に帰化したいのか」という動機を自筆で書きます。
なお、特別永住者の方および15歳未満の方は、動機書の提出が不要とされています。
動機書を書く上で守るべきルール
本人が自筆で書かなればなりません
動機書は、帰化申請者本人が自筆により日本語で書く必要があります。
パソコンで作成した動機書や他の人に代筆してもらった動機書は、特別な理由がある場合を除き、原則、受理してもらえません。
ですから、例えば、行政書士に帰化申請のサポートを依頼した場合であっても、行政書士が本人に代わって動機書を書くことはできません。
このように必ず本人が自筆で書くことが求められるのは、動機書には、帰化申請者の日本語能力(とりわけ日本語の読み書きの能力)を判断する書類としての役割もあるためです。
日本語での会話はある程度できるが、日本語の読み書きには自信がないという方は、前もって日本語で文章を書く練習をしておくことをお勧めします。
筆記用具
動機書は、必ず、黒インクのペンまたはボールペンを使って書かなければなりません。
鉛筆や消せるボールペン(フリクションペン)などは使用しないようにしましょう。
動機書の用紙サイズ
動機書の用紙としては、A4サイズの用紙を使用します。
動機書は、たくさん書けばよいというものではありませんので、A4サイズの用紙1枚に簡潔にまとめるようにしましょう。
書き間違えたときの修正
帰化申請書類は、修正液や修正テープの使用が認められていません。
動機書を書き間違えたときは、修正液や修正テープなどで修正するのではなく、間違えた箇所に取消線を引いた上で、書き直すようにしてください。
しかし、取消線が引かれた動機書は、見た目にもよくありませんので、動機書を書き損じたときには、面倒でもはじめから書き直すことをお勧めします。
作成年月日・署名
動機書の末尾には、動機書を書いた日付を書き、その下に署名をします。
動機書に書くべきポイント
帰化したい動機を書くといっても、具体的にどのように書けばよいのか、よく分からないという方も多いと思います。
動機書には、「今までのこと」、「現在のこと」、そして「今後のこと」の3つのパートに分けて順番に書くとよいでしょう。
「今までのこと」、「現在のこと」および「今後のこと」として書くべきポイントは、以下のような点です。
今までのこと
fa-checkいつどこで生まれたのか
fa-checkなぜ日本に来たいと思ったのか
fa-checkいつ日本に来たのか
fa-check来日後、何をしていたのか
現在のこと
fa-check現在何をしているのか
fa-check日本で暮らしてきた感想
fa-check日本社会に定着していること
fa-check善良に生活していること
fa-checkなぜ帰化したいと思うようになったのか
今後のこと
fa-check今後も日本で暮らし続けたいという意思
fa-check帰化が許可されたら、どのように生活していくつもりか
fa-checkどのように日本社会への貢献を果たしていきたいのか
動機書の例文
先ほど述べました「今までのこと」、「現在のこと」および「今後のこと」のポイントをまとめて例文を作ると、以下のようになります。
なお、以下の文章は、あくまで動機書のイメージをつかんでいただくための例文ですので、実際に動機書を書くにあたっては、参考にとどめるようにしてください。
<動機書の例文>
動機書は自分の言葉で書くことが大切です
通常、帰化申請日から3ヵ月~4ヵ月ほど後に、法務局で担当官との面接が行われます。
当然ながら、この面接の中で、動機書の内容についても質問を受ける可能性があります。
ですから、動機書の内容について何を聞かれても答えることができるように、書いた内容については、しっかりと把握しておくことが望ましいです。
例えば、誰かに文章を考えてもらって動機書を書いた場合は、内容を十分に把握することが難しくなり、質問を受けたときにスムーズに回答できない可能性が高くなります。
しかし、時間をかけて自分で書いた文章であれば、内容が自然と頭に入っているはずですから、質問をされてもスムーズに答えることができるでしょう。
つまり、たとえ時間や手間がかかっても、動機書はなるべく自分の言葉で書くことが重要と言えます。
動機書は、格調高い表現を使って名文を書く必要はありません。
できるだけ普段から使っている表現で、日本に帰化したいという素直な思いを法務局の担当官に伝えるつもりで書いてみてください。
まとめ
fa-hand-o-upMemo
fa-tags動機書には、「なぜ日本に帰化したいのか」という動機を、帰化申請者本人が自筆により日本語で書きます(パソコンによる作成は不可です)。
fa-tags筆記用具は、黒インクのペンまたはボールペンを使い、用紙は、A4サイズの用紙を使用します(用紙1枚に簡潔にまとめましょう)。
fa-tags書き間違えたときは、修正液や修正テープなどを使わずに、間違えた箇所に取消線を引いて書き直すようにしてください。
fa-tags動機書は、「今までのこと」、「現在のこと」、そして「今後のこと」に分けて時系列に書くとよいでしょう。
fa-tags法務局で行われる面接での質問の受け答えをスムーズにこなすためにも、動機書は、誰かに文章を考えてもらって書くのではなく、時間をかけてでも自分の言葉で書くことが大切です。
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