「親族の概要」は、帰化申請の必要書類の一つで、申請者の親族に関する必要事項を記入します。
ここでは、「親族の概要」の書き方について説明させていただきます。
目次
「親族の概要」のサンプル
「親族の概要」とは、このような書類です。
*法務省「帰化許可申請のてびき」より(参照番号は行政書士オフィスJが記入)
「親族の概要」には、申請者の日本在住の親族だけでなく、海外在住の親族についても記載します。
上記のサンプルのように、日本在住の親族と海外在住の親族とで、用紙を分けて書く必要があります。
なお、申請者自身については、「親族の概要」には記載しません。
「親族の概要」に記載する親族の範囲
「親族の概要」に記載する親族の範囲には、以下の方が含まれます。
(1) 申請者の配偶者
(2) 申請者の元配偶者
(3) 申請者の父親・母親(養父・養母も含みます)
(4) 申請者の子(養子も含みます)
(5) 申請者の兄弟姉妹
(6) 配偶者の父親・母親
(7) 内縁の夫・妻
(8) 婚約者
これらの親族は、既に亡くなっている方についても記載する必要があります。
(1)~(8)以外の親族(例えば、祖父母、伯父、伯母、叔父、叔母、甥、姪など)であっても、同居しているのでれば、その方についても記載する必要があります。
同居人が親族ではなく、友人やルームメイトなどである場合は、「親族の概要」に記載する必要はありません。
記載する順番
「親族の概要」には、(1)~(8)の順に記載し、その後に(1)~(8)以外の同居親族について記載します。
父母が離婚している場合
父母が離婚している場合でも、父母の両方について「親族の概要」に記載する必要があります。
離婚した父母が再婚している場合
離婚した父母が再婚している場合、父母の再婚相手と申請者が同居しているのであれば、その父母の再婚相手についても記載する必要があります。
父母の再婚相手と申請者が同居していないのであれば、その父母の再婚相手については記載する必要はありません。
「親族の概要」の各項目の書き方
「親族の概要」を作成するにあたっては、所定の様式に以下の項目を記入します。
① 居住地区分
日本に住む親族についての「親族の概要」は、居住地区分の「日本」のチェックボックスを塗り潰します。
海外に住む親族についての「親族の概要」は、居住地区分の「外国」のチェックボックスを黒く潰します。
② 続柄
申請者との続柄を記入します。
配偶者がいる場合
申請者が現在結婚している場合、一番上の行には、配偶者について記入します。
配偶者については、「続柄」欄には「夫」または「妻」と書いてください。
元配偶者がいる場合(離婚歴がある場合)
申請者に離婚歴があり、その後再婚している場合、一番上の行には、現在の配偶者について記入し、そのすぐ下の行には、元配偶者について記入します。
申請者に離婚歴があり、現在は独身の場合、一番上の行には、元配偶者について記入します。
元配偶者については、「続柄」欄には「前夫」あるいは「前妻」と書いてください。
婚約者がいる場合
申請者に婚約者がいる場合、婚約者と同居しているのであれば「続柄」欄には「内妻」または「内夫」と記入し、婚約者と別々に住んでいるのであれば「続柄」欄には「婚約者」と記入します。
続柄の記入例
続柄の記入例は、以下の通りです。
• 申請者の配偶者: 「夫」または「妻」
• 申請者の元配偶者: 「前夫」または「前妻」
• 申請者の父親:「父」
• 申請者の母親:「母」
• 申請者の養父:「養父」
• 申請者の養母:「養母」
• 申請者の子(男性):「長男」、「二男」、「三男」、「四男」、・・・
• 申請者の子(女性):「長女」、「二女」、「三女」、「四女」、・・・
• 申請者の養子:「養子」または「養女」
• 申請者の兄弟姉妹:「兄」、「弟」、「姉」、「妹」
• 配偶者の父親・母親:「夫の父」、「夫の母」、「妻の父」、「妻の母」
• 内縁の夫・妻:「内夫」、「内妻」、
• 婚約者:「婚約者」
• 申請者の祖父母:「祖父」、「祖母」
• 申請者の父母の兄・申請者の父母の姉の夫:「伯父」
• 申請者の父母の姉・申請者の父母の兄の妻:「伯母」
• 申請者の父母の弟・申請者の父母の妹の夫:「叔父」
• 申請者の父母の妹・申請者の父母の弟の妻:「叔母」
• 申請者の兄弟姉妹の息子:「甥」
• 申請者の兄弟姉妹の娘:「姪」
③ 氏名
親族の氏名をフルネームで記入します。
氏名は、漢字またはカタカナで書いてください。
氏名の下には、生年月日を記入します。
西暦ではなく、日本の元号で書いてください。
例えば、昭和40年5月1日生まれの場合は、次のように書きます。
昭和40年5月1日生
④ 年齢
帰化申請時点での親族の年齢を、数字で書いてください。
例えば、50歳の場合は、「50」とだけ書きます。
亡くなっている方については、空白にしておいてください。
⑤ 職業
親族の職業を記入します。
記入例は、以下の通りです。
• 会社員: 会社員
• 会社経営者: 経営者
• 個人事業主: 自営業
• アルバイト: アルバイト
• パート: パート
• 無職: 無職
• 大学生: 大学生
• 高校生: 高校生
• 中学生: 中学生
• 小学生: 小学生
• 小学校入学前: 未就学
専門的な職業に就いている場合は、その職業を書いてください。
例)弁護士、税理士、公認会計士、医師、看護師、教授、准教授、大学講師、教師、通訳、翻訳、エンジニアなど
職業が分からない場合は、「不明」と書いてください。
亡くなっている方については、空白にしておきます。
⑥ 住所
申請者と同居している方については、「同居」と書きます。
上の欄と住所が同じ場合は、「同上」と記入します。
日本在住の親族
日本在住の親族については、マンションやアパートなどにお住いの場合、マンション名・アパート名と部屋番号も書いてください。
日本在住の親族の住所は、ハイフンを使った省略形ではなく、正式な住所(住民票に記載されている通りの住所)を記入してください。
例えば、住民票に「1丁目5番地」と記載されている場合は、「1‐5」とは書かずに、「1丁目5番地」と書いてください。
海外在住の親族
海外在住の親族については、国名から記入します。
国名は、「○○国」という形で、末尾に「国」を入れます。
例)アメリカ合衆国、英国、韓国、中国、ロシア国、フィリピン国など
住所の詳細が分からない場合は、分かるところまで書き、「以下不明」と記入してください。
例えば、住んでいる国までしか分からない場合は、「〇〇国 以下不明」と書きます。
亡くなっている親族
亡くなっている親族については、住所は書かずに、「住所」欄のカッコ内のチェックボックスを黒く塗り潰し、亡くなった年月日を記入します。
日本で亡くなっている親族の場合は、死亡届記載事項証明書に記載されている年月日を書いてください。
⑦ 交際状況等
①交際の有無
電話やメール、SNS、手紙などで連絡を取り合っている仲であれば、「有」のチェックボックスを黒く塗り潰します。
④その他(電話番号、帰化申請日、帰化日など)
①交際の有無が「有」の場合は、電話番号を記入します。
親族の中に帰化した方がいる場合
親族の中に帰化した方がいる場合は、「交際状況等」欄の最終行にある「 年 月 日帰化・申請」の「帰化」に印をつけて、帰化した日付を記入します(日付は帰化した方の戸籍謄本で確認できます)。
親族の中に帰化申請中の方がいる場合
親族の中に帰化申請中の方がいる場合は、「交際状況等」欄の最終行にある「 年 月 日帰化・申請」の「申請」に印をつけます。
帰化申請中の方に直接確認して、帰化申請日を記入してください。
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